現役の住宅営業の話を聞く機会が数多くあります。
僕の方から積極的にお聞きするようにしています。
現役の住宅営業の悩みにも興味があります。
ご存じの様に住宅会社によって販売単価が随分と違います。
メーカーの方々からは、自分たちの会社は坪単価が120万円もして,なかなかそれに適したお客様がいないという話もよく聞きます。るようです
高いから売れないという気持ちを持っておられるようです。
一番多い悩みは新規の顧客名簿が思うように取得できないという事でしょうか。
展示場へお客様が来られても ほとんどが計画の無いお客様ばかり、具体的な計画のあるお客様が来場しないと言ったこともお聞きします。
個人的には展示場へお越しになるお客様が計画がないということは本当かな?と思っています。(よほど来場特典があれば別ですが)
実際ほとんどのお客様は初めてお会いする住宅営業に対して最初から本音を言うかどうか疑問です。
紹介客で信頼を頂いている場合は話は別ですが・・・。
ですから最初の出会いではまずはお客様の心を開くことが肝心ですね。
世間話良し、自分のプロフィール・シートをお見せしてお客様との垣根を取る工夫も大事です。
お客様と共通点が見つかると何か他人が知人になってきたような感覚になってきて商談も自然に弾んでくるものです。

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今、全国の住宅展示場の建て替えサイクルが随分と長くなってきています。
かつては6年から8年といったところでした。
その理由として現在建てられている住宅展示場の規模が大きくなってきていること、
つまりは建築する展示場が大きくなってきていること、展示場にかける費用が大きくなってきたということがあげられます。
ですからオープンから10年以上経過している展示場が多いですね。
中には20年以上も経っている展示場も存在します。
そういう場合、設備や家具が時代遅れになったり、見栄えがしなくなったりもしますから一般の住宅の様にリフォームする必要性もあります。

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僕が会社員時代、東京の支店長だった時に、立川市のハウジングワールドという総合住宅展示場がエリア内にありました。
現在も54区画あってその規模は大きいのですが、当時は68区画あったと記憶しています。
その中に10区画ほど邸宅ゾーンという区画があってそこに3億円の展示場を建築したことがありました。
どんなことが起きたと思いますか?
展示場が大きく豪華だと、それなりのお客様が来られるという事です。
3億円の建物の受注も現実化しました。
展示場の建て替えサイクルも10年を超えていたと思います。

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現在住宅営業の生産性がかつてと比べて随分と低くなってきています。
毎月1棟販売する事が不可欠だった私達の時代が懐かしく思われますが、現在は住宅メーカーの場合、3ヶ月に1棟が契約パターンと言っていいでしょう。
但し契約受注の金額が4500万平均となってきてもいます。
つまりは1カ月にならすと1500万の生産性、1年だと1億8千万の受注となります。
粗利益が30%とすると一人の住宅営業が1年に5400万挙げているという勘定になります。
そして直間比率の高い会社と低い会社で差が出てきますが仮に40%とすると社員一人当たりの利益が2160万という値になります。

営業が70%だという住宅会社もありますが、個人的には営業比率が50%程度で考えていくべきかと考えています。(会社事情でいろいろと違ってきますが)
僕の顧問会社の中には全員営業という考えで経営を考える会社もあります。
この辺りは経営者の考え方ですが、内務社員を増やしたときに気を付けなくてはいけない事は、必要のない仕事を作らない事です。

人は会社に顔を出すと生産性に関係なく自分は仕事に従事していると考えます。
ですが生産性が伴わない業務に従事している人たちにとっては、必ずしも仕事をすることが業績向上とはいいがたい現実があります。
そのあたり住宅営業は数字で判断される立場にいますから解り易いものです。
僕が支店長時代は全員営業意識を持ってもらい、営業外社員に対しても何らかの物差しを作って数字化していました。
どんな物差しにするかを自分たちで考えて頂きました。

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販売会社であるわけですから、社員全員がお客様係になるように努めました。
設計や現場監督はお客様との接点はありますが、積算や総務、経理担当の社員さん達は常日頃お客様との接点を持つことが少ないものです。
そういった社員さん達にも現場に出ていく機会を極力作ってあげ、じかにお客様と触れあう事で営業意識を高めていった記憶があります。

もっと言えば派遣社員さん達、さらに言えば関連会社や取引業者の方々にも販売会社としてのマナーやルール、お客様を絶えず意識した組織としての在り方、一体感を重んじた組織づくりを目指しました。
コミュニケーション、時間管理、顧客目線での日常行動を意識したものです。

最近、どうもコンプライアンスの関係もあってか強い会社作りがおろそかになっているように思えてなりません。
どうなんでしょう、いささかオーバーコンプライアンスなのでは・・・?
マネージャーやリーダーがメンバーに対して、しっかりと日頃からコミュニケーションを高め、心を掴んでおき、指示を明確にして数字を使って行動の徹底を図る事が大切です。
やる気のある社員をいかに数多く作っていくか…これが管理者の義務と考えます。

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円安もしかり、日本企業の衰退もしかり、寂しい話が渦巻いています。
そんな中で勝っている会社、勢いのある会社も存在します。
会社に顔を出すのが楽しい、仕事は大変だけれどやりがいがある、仕事をしていると成長をしている実感がある、生きている実感が仕事の中に在る・・・
見捨てたものじゃない、もっとできる、頑張りたくなる仕事作りめざしましょう。